

講師の先生方と
シンポジウムの先生方の紹介

小児理学療法に興味を持っていただいている皆様に、本学術大会に たくさん参加していただきたいと思っております。
そこで、本学術大会の講師の先生方やシンポジストの先生方にインタ ビューを行い、ご紹介いたします。
第1回は、 学術大会長の北 原エリ子先生と準備委員長の松田雅弘先生です。
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第8回日本小児理学療法学会学術大会大会長
順天堂大学医学部附属順天堂医院 リハビリテーション室技士長 北原エリ子先生
学術大会長講演
「小児理学療法の歴史と今後の展望〜コロナ禍から考える繋がりと変革〜」
11月27日 10:20~11:20 第一会場
イブニングトークセッション パネリスト
「小児理学療法において卒後教育体制をどのように整備すべきか?」
11月27日 17:20~18:50 第1会場

Q1:今回のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
臨床家、研究者、教育者、多くの方の豊かな「協働」につながるように、オープニング大会長講演として、アイスブレーキングの役割を果たせればと考えております。
Q2:先生がこのお仕事(職業)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
子ども、ご家族、同僚、他職種、他院の方、共同研究者… 多くの方と協働しているとき
Q3:小児理学療法学会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
みんなで集おう!みんなで語ろう!

第2回は、大会シンポジウム「ジェネラリスト、スペシャリスト、他のスペシャリストとの連携」 (学会2日目・11月28日(日) 14:00~15:40)をテーマにご講演される三名のシンポジストの先生です。
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第8回日本小児理学療法学会学術大会準備委員長
順天堂大学保健医療学部理学療法学科 先任准教授 松田雅弘先生
シンポジウム 司会
「小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか」
11月27日 15:20~17:00 第1会場
イブニングトークセッション 座長
「小児理学療法において卒後教育体制をどのように整備すべきか?」
11月27日 17:20~18:50 第1会場
Q1:今回のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
今回は私の講演はございませんが、実行委員長として学会運営が円滑に進むように最大限の準備を進めていきます。今回の運営のチーム関東という団結と「協働」「ジェネラリ ストとスペシャリスト」を当たり前のように感じ、生かし、そして対象となる子どもに最大限の支援をしていけるセラピストの集団になりたいと思っています。Well-beingをみん なで真剣に学び、ディスカッションできるように様々な企画を考えましたので、是非それを感じ取ってください。
Q2:先生がこのお仕事(職業)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
人間の健康は夢を叶える、人生を生き生き過ごせる基本となる欲求の1つだと思います。その支援を出来ることに充実感を感じます。健康に不安があると活動の意欲が減退します ので、単純な運動療法だけでなく、楽しい人生や生活を一緒に感じられるようにリハビリ テーションをしています。
Q3:小児理学療法学会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
コロナ禍で多くの対象となる子ども、家族、関係するみなさまが大変苦労した生活をしていることと存じ上げます。健康を支援する職種として、どんな感染症や試練が起きたときにも、最も身近で力強い存在になりたいと私は思っています。私一人では何もできませ ん。今回掲げたテーマの「協働」は十人十色の性格であっても、専門性などを活かし、何がBestかを常に考え、共に考え、行動できる、そんな専門家の集団が形成される一助になれば嬉しいと思っています。PDCAのなかでD=Doが大切です。行動を起こしていきましょう。

豊橋市民病院リハビリテーションセンター 神谷猛 先生
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大会テーマシンポジウム シンポジスト
11月28日 14:00~15:40 第1会場
「ジェネラリスト、スペシャリスト、他のスペシャリストとの連携」
Q2:先生が小児理学療法で大切にされておられることはありますか? または、このお仕事(理学療法)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
その子ども・赤ちゃんが求めていること(価値観)は、何かと考えることです。「発達を伸ばしたい」って発想でリハビリしているのは親や大人の価値観だろうなあ、例えば赤ちゃんだと「発達を伸ばしてほしい」ってことより何より「抱っこしてほしい~」「抱っこ気持ちいい~」だろうなあ。でも、それにずーっと応えているだけだと子どものためにならないのかなあ、ああこれって自分の子どもの育児やしつけ、習い事の悩みに似てるなあ、っていう感覚です。要は、理学療法が理学療法士本位にならないように気をつけています。
Q1:シンポジウムのテーマが「ジェネラリスト、スペシャリスト、他のスペシャリストとの連携」でありますが、 今回の先生のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
急性期医療において、 連携すべき相手は、 目の前の患者様、ご家族の支援としては医師・看護師が必須となります。その領域の将来を考える上では,他領域の理学療法士から学ぶことが多いと感じています 。連携や目標達成のためにスペシャリティーとジェネラリティーそれぞれ必要で、どちらが必要かはその場や周囲の求めるもの(不足するもの)により変わると思います。結局、理学療法士のスペシャリストってジェネラリストであることだったり,相手やその環境が必要としていることに思えます。曖昧ですね。。当日までにはもう少ししっかりまとめて望みたいと思います。

Q3:本学術大会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
自分自身、立派な研究をしてきたり、大きな目標をもってここまでやってこれたわけではありません。ライフステージによってはへこたれた時期もありました。 自分の職場で小児理学療法のことを直接的に相談できる相手もいませんでした。そんな時、助けてくれたり、力をいただいたのは、学会で知り得た情報や知り合えた全国の小児理学療法に携わる仲間たちです。知識の習得や情報交換はもちろんですが、何より仲間の存在、想いが自分を動かしてくれました。とても感謝しています。何か具体的なことを得たい方も何か足りないけどそれが何かわからない方もぜひご参加いただき、一緒に進みましょう!
株式会社リ・ハピネス 児童発達支援・放課後等デイサービス すりーぴーす 代表取締役 要武志 先生
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Q3:本学術大会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
共に学びを深められることを楽しみにしております。
Q1:シンポジウムのテーマが「ジェネラリスト、スペシャリスト、他のスペシャリストとの連携」でありますが、 今回の先生のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
ジェネラリストもスペシャリストも両方必要で組織の状況や自分の置かれた立場でどう立ち振る舞うかが重要なのかなと思います。どちらかを選択して極めることもありですが、両方の視点を持って仕事ができる人が今後必要とされる人材になるのではないでしょうか
Q2:先生が小児理学療法で大切にされておられることはありますか? または、このお仕事(理学療法)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
大切にしていることは対象にしている子供はもちろん、ご家族も自分も楽しむことです。良かったと思うことは自分が提供したサービスで子供とご家族、自分の職員たちが楽しんでくれた時です。

大会テーマシンポジウム シンポジスト
「ジェネラリスト、スペシャリスト、他のスペシャリストとの連携」
11月28日 14:00~15:40 第1会場
島田療育センターはちおうじ 黒川洋明 先生
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大会テーマシンポジウム シンポジスト
「ジェネラリスト、スペシャリスト、他のスペシャリストとの連携」
11月28日 14:00~15:40 第1会場
Q1:シンポジウムのテーマが「ジェネラリスト、スペシャリスト、他のスペシャリストとの連携」でありますが、 今回の先生のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
「栄養」の重要性に関して知って頂きたいです。子ども達の身体に触れる機会が多い理学療法士だからこそ気付けること、評価できることが多くあると思います。しかし、理学療法士だけでは限界があります。特に「栄養」は多職種がそれぞれの専門性を活かして評価・支援することが重要となります。今回のシンポジウムを通して馴染みの少ない「栄養」に関心を持って頂けましたら幸いです。

Q2:先生が小児理学療法で大切にされておられることはありますか? または、このお仕事(理学療法)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
生活には「生きる:生命があり活動できる」と「活きる:本来もっている機能・能力が発揮される」の2つの「いきる」が含まれています。この2つの「いきる」を支援することが重要だと考えています。常にその子らしさ、その子らしい生活とは何かを関わるスタッフみんなで考えるようにしています。
長期間担当することが多いため子ども達の生活支援に関わり、変化していく姿を見届けられることがこの仕事の魅力だと思っています。
Q3:本学術大会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
オンライン開催となり、対面で皆様とお話できないのは残念ですが子ども達、そのご家族のために私たち理学療法士が何を支援していく必要があるのか参加者皆様と一緒に悩み、考えていきたいです
第3回目は、 シンポジウム 「小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか」 (学会1日目・11月27日(土) 15:20~17:00)をテーマにご講演される三名のシンポジストの先生方です。
11月27日 15:20~17:00 第1会場
「小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか」
シンポジウム シンポジスト
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滋賀医科大学医学部附属病院 飛田良 先生
Q1:シンポジウムのテーマが『小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか』でありますが、今回の先生のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?

小児理学療法が必要な子どもたちは、脳性麻痺や神経筋疾患、骨関節系疾患などを持つ子どもたちだけではないということを、まずお伝えしたいと思います。
近年、小児理学療法の対象が多様化している中、さまざまな疾患や病態に対する対応が求められています。その一つが“小児がん”だと考えています。
医療界全体でみても、小児がん治療成績の飛躍的な向上は、代表的なサクセスストーリーの一つとされています。一方で、これまで明かされてこなかった、小児がんサバイバーやその家族の声から、療養生活上での困りごとが見えてきました。
患児や家族のQOLを重視したトータルケアの概念が浸透する中で、われわれ理学療法士の専門性を活かし、「何を評価し、治療だけでなくその後の人生へどう活かせるか?」をみなさんと一緒に考えたいと思います。
Q2:先生が小児理学療法で大切にされておられることはありますか? または、このお仕事(理学療法)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
臨床で最も大切にしていることは、“子どもたち自身の声”です。
常時保護者が付き添われている入院生活の中で、自主性を失っていくことも懸念されます。大人たちだけで事を進めるのではなく、子どもたちが何を望んでいるのか、逆に何を望んでいないのかを、言葉にしなくても、日々のささいな変化やサインに気付いてあげられるように意識しています。そのため、リハビリ中は極力、母児(父児)分離を図ります。ただし、その後のフォローは欠かせません。保護者に迷惑をかけたくないと思う子どもも少なくなく、保護者の前ではなかなか心中を吐露することはありません。
それらの関わりが、子どもたちだけではなく、保護者においても、療養生活でのさまざまな不安を取り除き、自主性を高め、自己肯定感につながると考えています。
Q3:本学術大会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
今回、はじめて本学会にシンポジストとしてご登壇させていただくことを大変光栄に思っております。他にご登壇される先生方と比べても、経験が浅く、不慣れな点もあるかと思いますが、特に若手のセラピストの先生方に勇気や希望を与えられるような登壇にしたいと思います。どうぞ宜しくお願いします。
Q3:本学術大会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
対面でみなさんにお会いできないのは残念ですが、画面越しからでも伝わってくるような熱い学会にしましょう。

Q1:シンポジウムのテーマが『小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか』でありますが、今回の先生のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
評価するだけでなく、解析し、その内容をご本人・ご家族と共有するまでがワンセットです。 そして「評価を治療に活かす」のではなく、「評価・解析・共有することが介入」である、ということをお伝えできればと考えています。
11月27日 15:20~17:00 第1会場
「小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか」
シンポジウム シンポジスト
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札幌医科大学 樋室伸顕 先生
姫路赤十字病院 藤本智久 先生
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シンポジウム シンポジスト
11月27日 15:20~17:00 第1会場
Q3:本学術大会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
新生児の理学療法に興味のある方は、是非、赤ちゃんの行動を一度じっくりと見てみてください。いろんなサインを示してくれています。
Q1:シンポジウムのテーマが『小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか』でありますが、今回の先生のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
新生児期の行動評価から児のゴールとケアや介入の方向性が見られること、そしてそれを数値化して評価してみていく方法があるということ。
Q2:先生が小児理学療法で大切にされておられることはありますか?
または、このお仕事(理学療法)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
大切にしていること:言葉を発することのできない赤ちゃんの言葉を行動を通して聴こうとすること。
うれしかったこと:初めてであった時には掌で包み込まれてしまうくらいの赤ちゃんが、新生児期のトラブルにも負けずに、少しずつ大きくなり、退院前にはたくましくなっていること。

Q1:シンポジウムのテーマが『小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか』でありますが、今回の先生のご講演で、特に知ってもらいたい(伝えたい)ところは何ですか?
私の与えられた分野は小児呼吸理学療法です。この分野も他の分野と同様に小児でのエビデンスに乏しく、成人の呼吸理学療法のエビデンスを採用するときには慎重に吟味する必要があります。特に小児呼吸器における解剖学的、生理学的な特徴を踏まえ、それが意味する臨床的な意義についてさらに深く考える必要があります。そうすることにより治療の糸口が見えてくると思います。結局、トライ&エラーを繰り返すことになるかもしれませ
Q2:先生が小児理学療法で大切にされておられることはありますか?
または、このお仕事(理学療法)をされて、良かったと思うときはどんなときですか?
小児疾患は希少性が高く臨床像が特異的です。この点ではセラピストの治療効果が不明確です。さらに小児の自然治癒力の高さに私たちは助けられており、治療と自然治癒力による相乗効果は勿論重要ですが、急性期には治癒力のスピードにセラピストが追い付けず、こどもの能力よりも課題が低い治療を繰り返していることに気がつかないこともあります。急性期だけでなく退院後の発達期では、これに発達が加わることにより、さらにセラピストの介入がどこに影響しているのかが見えなくなることもあります。私たちは診療報酬を算定している以上、経験年数が1年目でも20年目でも「プロフェッショナル」です。このため治療時間内には明確に言語化して説明ができる一つ以上の「結果」を出すことが求められていると思います。終了時に「何が変わったのか」をご家族に説明する義務があり、小児セラピスト、特に若いセラピストには習慣化してほしい課題でもあります。
私が小児の理学療法士となって良かったと感じること。こどもにはほとんどの場合、母親がおり、表現や行動は様々ですが、親子の絆は人類史上もっとも崇高で確かなものです。障害や病気を持つこどもの治療が功を奏さないときもありますが、子と親はその経験を医療を超えて人として生きることとして積み重ねておられます。そして親子の絆だけでなくそこに関わる全ての人とともにいくつもの難関を経験しています。こどものセラピストになって良かったと感じることは、深い悲しみでも大きな喜びだとしても、その経験をセラピストとして共有することができ、その経験を糧に私自身も33年間、人として育てられたことです。そしてセラピー中が最も精神的安定が得られるストレス発散の時間であることです。

んが、そのトライアルは言語化できる明確な理論的背景が必要となり、勿論臨床における「エラー」は「悪化」などのネガティブな有害事象ではなく、「無反応」「改善なし」でなくてはなりません。それがリスク管理となります。臨床における介入すべき症状と治療を結び付けるものは、どの分野においても適切な「評価」であり小児理学療法における評価は呼吸の指標である「酸素化」と「換気」、ドライブの評価としての「努力性呼吸」の指標が重要だと考えています。特に特殊な機器を使用して評価するのではなく、容易に計測が可能な換気量とEtCO2、一般的な生体モニターで十分なアセスメントが可能と考えています。
Q3:本学術大会に参加されるセラピストに一言メッセージをお願い致します。
小児理学療法学術大会に参加されておられる皆様は、少なからず臨床で「こども」と向き合い、恐らく日々格闘されておられることかと思います。発達に関わる多くの課題、小児特有のリスク管理、ご家族の問題などに難渋されておられるでしょう。「茨の道」を選んだ仲間として、共に歩み続けましょう。今大会では微力ではありますが、小児呼吸理学療法で「結果」を出すための臨床場面の評価について皆様とともに考えたいと思います。
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静岡県立こども病院 診療支援部リハビリテーション室 稲員 恵美 先生
11月27日 15:20~17:00 第1会場
「小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか」
シンポジウム シンポジスト
「小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか」
第3回は、 シンポジウム 「小児に必要な評価をどのように治療へ活かすか」 (学会1日目・11月27日(土) 15:20~17:00)をテーマにご講演される4名のシンポジストの先生方でした。貴重なご講義を楽しみにしております。
